死霊の祟り 藤原広嗣の乱 天平十二年(七四〇)、九州大宰府に左遷されていた藤原宇合(ふじわらうまかい)の長男・広嗣は、当時朝廷で重用されていた僧正玄昉と吉備真備を排除せよという檄、文を朝廷へ送り、それが無視されると、九…
『続日本紀』に現れる怪異 天武天皇の孫の聖武天皇へ、都も藤原京から平城京へと遷ってゆく。妖怪もますます出番を失ってゆく時代になる。なぜなら皇位継承などの権力争いで人間そのものが妖怪化していくからである。 …
彗星の記録 彗星の記録と水木しげる「一反もめんの原型」 天武七年(六七八)冬十月に難波に長さ五、六尺の綿のようなものが風に吹かれて松林などに翻った。人々は「甘露」だといった。「甘露とは、…
ねずみの記録 ~妖怪が姿を潜ませた時代へ~ 斉明天皇の意志を継いで朝鮮半島へ出兵した日本軍であったが、白村江の戦いで大敗する(六六三)。あとを受けた中大兄皇子は人々の反対をおして近江の大津に遷都する(六…
鳥羽・伏見の戦い 1868年1月2日、将軍徳川慶喜をおしたてた幕府軍1萬5千は、「討薩除奸」(薩摩を討ち、朝廷から悪人を取り除く)を旗印に、大坂城を進発した。幕府軍の中心になったのは、会津と桑名の藩兵であり、会津藩先鋒の部隊は鳥羽…
鬼・鬼火 斉明天皇の時代、『日本書紀』に不思議な出来事が記されている。 斉明七年(六六一)、朝鮮半島で百済が新羅と唐の連合軍のために滅ぼされようとしたので、女帝は老体をおして同盟国百済救済のために出征を決…
役 小角(えん の おづぬ ) ~修験道の開祖~舒明天皇6年(634年)~ 大宝元年6月7日(701年7月16日))飛鳥時代の呪術者で、役行者(えんのぎょうじゃ)、役…
戊辰戦争 慶応4年(1868年)は、十干十二支の戊辰の年に。前の12月に王政復古が成功し、新しい政府による政治がはじまったこの年は、3月には新しい政治の大方の方針を示した五箇条の御誓文がだされ、7月には江戸を東京に、9月…
消えた死体『日本書紀』に現れる怪異 推古二十一年(六一三) 聖徳太子が片岡で飢えた旅人を路上で介抱するが、その旅人はやがて死ぬ。埋葬した後、その墓を開いてみると、死体はなくなっていて、その…
雪中の幽霊 塩沢の近くに関山という村があり、その近くを魚野川がながれている。流れが急なので橋がいつも流失し、仮設の橋を設けていたが、その上に雪が積もると過って川に落ち、溺死する人が多かった。…