カテゴリー:妖怪・怪談
口承の鬼 ~信州の鬼伝説~口伝えのの、つまり「口承」の現場では妖怪はいかに語られているのだろうか。一例を『信州の伝説』という資料集に見てみたい。この本は百数十件もの長野県内の伝説を、柳田國男『日本伝説…
由来をつくる「伝説」の妖怪 東雅夫『妖怪伝説奇聞』は、タイトルどおり日本全国の「妖怪伝説」の紀行である。著者たちは広島では『稲生物怪録絵巻』の舞台をめぐり、香川では牛鬼の図像や角を追い…
歴史と伝説の間「民話」ということばの歴史は意外と新しく、英語の「Folk Tales」(民間説話)の訳語あるいは略語として、昭和の初め頃つかわれるようになつた。まだ百年は経っていない。その後、劇作家の木下順二が中心になった、民話を…
化物屋敷 江戸時代には、妖怪が出るという化物屋敷の噂が多くささやかれていた。なかでも有名やのは『伊能物怪録』という江戸の絵巻の題材になった化物屋敷で、30日間にわたって主人公・稲生平太郎を悩ませるが、ついには退散され…
マクラガエシ マクラガエシ(枕返し)は、寝ている時に悪さをする怪。民間伝承でも報告はあるが、本来は姿かたちをともなわない。しかし、鳥山石燕はこれを仁王様の姿でビジュアル化した。石燕はの…
ヒトツメコゾウ(一つ目小僧) ヒトツメコゾウ(一つ目小僧)も家に来る怪。毎年、コト八日(二月八日、十二月八日)に現れるといい、そこからこの日は、家の戸に籠をつるすという習慣も生まれた。籠は…
ナマハゲと火斑(ひだこ)カクレザトウの持ちを拾えば、裕福になるという言い伝えもある。「神隠し」という語が示すように、これらの子供をさらう怪にも、どこかしら神の面影がある。人の力の及ばぬモノのうち、祀…
家の妖怪 夕方のことを「黄昏」時といいうのは「誰(た)そ彼(かれ)」時の意味である。いまでは使われていないが、「彼(か)は誰(たれ)」時という言葉もあった。人人の支配する昼の世界と、人なら…
道・坂・峠の妖怪 人が歩き続けると、そこに道ができる。道は人のテリトリーであるが、そこを一歩踏みはずはと、とたんに人ならぬモノたちの領域を侵犯することになるので、気をつけなければならない。とくに夜道には注…
海の妖怪 幽霊船 凪いでいる海は美しいが、いったん荒れはじめると、手がつけられなくなる。古い諺に「板子一枚下は地獄」というものがあるように(「板子」は船底の板のこと)…