カテゴリー:妖怪・怪談
狸の説話 狐にくらべて、古代中世における狸の話しは数が少ない。『古今著聞集』巻十七には狸が化け、人を害する話が載っている(六〇二、六〇三、六〇七、六〇八)。『今昔物語集』にも「狐狸」が人に悪戯を働くも…
天狗 中世にもっとも勢力のあった妖怪は天狗であろう。天狗の獲描かれる代表的な作品をいくつか挙げれば『太平記』・『是害坊絵巻』『天狗童子』『七天狗絵』などがある。 天狗は基本的に仏敵として位…
酒呑童子 酒呑童子のような鬼は仏に敵対する立場にある。仏力を示されても恐れることなく、歯向かってくるところは身の程知らずというべきか、大胆不敵というべきか、ともかくおどろべく生き方をしている。…
ナマハゲ 民間伝承の中の鬼にナマハゲがいる。それは人間を威し、悪事を抑止する存在ともいえる。地獄で使役される獄卒もこれとにたところがある。獄卒がかくも恐ろしいのは、そうする…
鬼は妖怪か幽霊か鬼は、妖怪でもあり、幽霊でもあるという。『今昔物語集』に見えるる橋の上の鬼は、特定の場所(橋)に出没する点で妖怪の特徴を備えているとえる。棲家や出没時間は『金宿物語集』では多くの人里離れた…
説話文学に見られる妖怪 古代から中世にかけて成立した説話文学にも妖怪が登場する。 『日本霊異記』や『今昔物語集』をはじめ、古代から数多くの説話集が編集された。これらのなかには、様々な妖怪たちが描かれている…
記録の中の妖怪が示唆するもの 『日本書紀』『続日本書紀』という正史に記録された怪異現象をみてきた。妖怪が必ずしも人間に災いをなす存在ではなく、人の世に時折出現して人々を驚かせはするが、恨みつらみを抱いてで…
井上内親王平城京時代の末期に即位した弘仁天皇の宝亀七年(七七六)五月末〇災変がたびたび起こるので大祓をし、六百人もの僧をして宮中、朝堂で大般若経を読ませた。〇九月には、二〇ばかり毎夜、京中…
死霊の祟り 藤原広嗣の乱 天平十二年(七四〇)、九州大宰府に左遷されていた藤原宇合(ふじわらうまかい)の長男・広嗣は、当時朝廷で重用されていた僧正玄昉と吉備真備を排除せよという檄、文を朝廷へ送り、それが無視されると、九…
『続日本紀』に現れる怪異 天武天皇の孫の聖武天皇へ、都も藤原京から平城京へと遷ってゆく。妖怪もますます出番を失ってゆく時代になる。なぜなら皇位継承などの権力争いで人間そのものが妖怪化していくからである。 …