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歴史ネタ帖

妖怪 マクラガエシ 

マクラガエシ

 マクラガエシ(枕返し)は、寝ている時に悪さをする怪。

民間伝承でも報告はあるが、本来は姿かたちをともなわない。

しかし、鳥山石燕はこれを仁王様の姿でビジュアル化した。

石燕はの描いたマクラガエシは、水木しげるのイラストによって今日に伝えられ、妖怪辞典の項目に収まった。

石燕–水木ラインで形成された妖怪たちは、柳田–水木ラインで形成された妖怪たちとともに、今日の妖怪のイメージの二大源流となっている。

「イメージの形成」は「キャラクター化」とおきかえるのも可能であろう。

 このマクラガエシというのは、朝起きると、寝る前と枕の位置が変わっているというだけの怪だが、「マクラ」の語源が「タマクラ(魂の宿る蔵)」であり、人の生命にとって重要な意味をもっていたという知識がなければ、現代人には理解しにくいだろう。

何を怪異と感じるかが、時代によって異なるのを知ることも重要である。

 

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