妖怪は神様である。 ~民俗学の妖怪研究 柳田 國男『妖怪談義』~ 民俗学は妖怪も研究対象にする学問分野だと思われている。そうしたイメージは、民俗学の祖といわれる柳田國男自身の著作に負うところも大きい。…
妖怪概念とは「モノ化するコト」 京極夏彦は『妖怪の理、妖怪の檻』で、妖怪概念とは「モノ化するコト」である、と言っている。怪異な「コト」が、その現象を引き起こす「モノ」の仕業とされ、そのモノが現実に存在す…
士族と官吏 1880年(明治13)の記録によると、中央・地方の全官吏の74%は士族であった。官吏の給料はきわめて高く、1878年には最下級の官吏でも月給12円であったという。 ところが、官吏になれたのは、全士族の1割く…
「世間話」の妖怪 ~実体験と伝聞~ 「世間話けに出てくる妖怪は現在のわれわれの持つ「妖怪談」のイメージに近いといえる。世間話の妖怪談ては、<狐>や<狸>に化かされた話、<天狗>や…
信州の伝説 ~巨人・天狗・河童~信州には「巨人」の伝説も多く、デーラボッチやダイダラ法師と呼ばれる巨人たちが創ったという山や池、歩いた足跡といわれる窪地は数十箇所あげられている。…
口承の鬼 ~信州の鬼伝説~口伝えのの、つまり「口承」の現場では妖怪はいかに語られているのだろうか。一例を『信州の伝説』という資料集に見てみたい。この本は百数十件もの長野県内の伝説を、柳田國男『日本伝説…
由来をつくる「伝説」の妖怪 東雅夫『妖怪伝説奇聞』は、タイトルどおり日本全国の「妖怪伝説」の紀行である。著者たちは広島では『稲生物怪録絵巻』の舞台をめぐり、香川では牛鬼の図像や角を追い…
歴史と伝説の間「民話」ということばの歴史は意外と新しく、英語の「Folk Tales」(民間説話)の訳語あるいは略語として、昭和の初め頃つかわれるようになつた。まだ百年は経っていない。その後、劇作家の木下順二が中心になった、民話を…
化物屋敷 江戸時代には、妖怪が出るという化物屋敷の噂が多くささやかれていた。なかでも有名やのは『伊能物怪録』という江戸の絵巻の題材になった化物屋敷で、30日間にわたって主人公・稲生平太郎を悩ませるが、ついには退散され…
マクラガエシ マクラガエシ(枕返し)は、寝ている時に悪さをする怪。民間伝承でも報告はあるが、本来は姿かたちをともなわない。しかし、鳥山石燕はこれを仁王様の姿でビジュアル化した。石燕はの…