土蜘蛛
土蜘蛛の説話
土蜘蛛も退治されるべき妖怪として説話化されている。
その退治がおこなわれたのは古代のことで、中でも源頼光の退治か知られる。
中でも源頼光と渡辺綱が蓮台野で空を飛ぶ髑髏の後を追って神楽岡に至ると、二九〇歳になる老女の住む古屋があって、続いて異形異類の物どもや容色美麗の女の妖怪があらわれた。
女を切りつけた太刀には白い血がついており、血痕をたどると件の老女の住む古屋に戻った。
さらにたどっていくと今度は洞窟があり、そこに大きな蜘蛛がいた。正体を見た頼光・綱はその首を刎ねて退治した。
蜘蛛の腹からは一九九〇個の生首が出てきて、さらに人間の子供くらいの子蜘蛛が無数に走り騒いだが、最後は首を穴に埋め、古屋を焼き払って一件落着した。その姿は一様ではない。
大蜘蛛として描くもの、二足歩行で左右に二本ずつ腕のあるものを正体とし、また頼光の前に現れる姿は女だったり、掌から糸を放つ僧の姿だったりする。
『妖怪学の基礎知識』より要約