輪廻転生 ~畜生道に堕ちる~
人間の生物化
人間は鬼や天狗、畜類、あるいは幽霊になるばかりでなく、虫にも変貌することがある。
男女を問わず人間が死後牛や馬になって別の人間に使役されるということは古くから信じられてきたことである。
これは近代にいたったもなお信じられていた。もちろん、畜生道に堕ちた結果という仏教的な解釈もあるが、仏教的な転生の理解抜きでも信じられていたようである。
例えば人間に使役される家畜以外にも、人間は転生するもので、昔話では小鳥前生譚といって、小鳥になるという話が多くみられる。(高橋宜勝「小鳥前世譚」『昔話伝説研究』第十六号、一九九一年)。
『妖怪学の基礎知識』要約