沼沢火山の噴火 ~縄文人の災難~
沼沢火山の噴火 ~縄文人の災難~
日本列島は「火山列島」である。日本では、2017年の時点で、111の活火山が火山予知連絡会及び気象庁により定められている。
福島県内には、5つの活火山が存在する。沼沢火山は、その1つにあたる。
沼沢火山は、福島県大沼郡金山町の会津盆地の南西山地に位置する。
沼沢火山の噴火口の現況は、水を貯えたカルデラ湖となっている。これが、沼沢湖である。
沼沢湖は、紀元前3,400年頃に起きた沼沢湖火砕噴火で形成された小型カルデラ湖である。その最大水深は、96mである。
沼沢湖の直径は約2㎞で、湖面の標高は475mである。
火口の周囲には、43,000年以上前の噴火による溶岩ドームが外輪山を形成し、火砕流起源の台地が分布する。
沼沢山の形成は、約11万年前に遡るとされ、火山体積物の層序から大きく7回の噴火痕跡がみとめられている。
近直の噴火は、縄文時代前期終わりころでである。 火砕流堆積物は、1,000m前後の山々を越えて、または谷筋を縫うようにして、会津盆地南半を覆っている。
さらに、噴火口から約30キロ離れた阿賀川流域付近まで達したと考えられている。また、火砕流は近接する只見川を堰き止め、只見川上流に堰き止め湖を発生させた。
会津地域に暮らしていた縄文人にとって大きな影響を及ぼした自然災害であった。
安達太良や磐梯山(明治21年7月15日噴火)に気を取られてました。
沼沢火山という火山を最近知りました。 地図上では、猪苗代湖より西側にあります。
確かに、地図をみると、只見川がダム化している状況がこれで、理解出来ます。
それにしても、縄文人も、災難でした。
参考資料
山元孝広(2014)詳細火山データ集:沼沢火山.日本の火山,産総研地質調査総合センター (https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/numazawa/index.html)
縄文ケヤキ発掘 ~沼沢火山噴火研究資料~
三島町の大谷川の川底で縄文時代に沼沢火山の噴火で倒れたケヤキがみつかった。同町の一般社団法人IRURI倶楽部は24日、ケヤキ周辺にあった埋もれ木を掘り起こした。
発見したのはブナやトチ、かつらの巨木で、研究機関による多角的な分析が行われれば、より詳細に噴火の実態と地域への影響をしる手がかりになりそうだ。
大学や研究機関、同法人などから約20人が参加し、作業を見守った。産業技術綜合研究所活断層・火山研究部門の山元孝広副研究部門長は、沼沢火山の噴火で発生したとみられる軽石がブナの表面についていると指摘。「根を張っていた木が火砕流でなぎ倒されたのが見て取れる。年代が非常に細かく決ままる上で貴重だ」と話した。
昨年2月に掘り起こした縄文ケヤキの巨木は、加速器分析研究所の協力で年代測定の結果、5,646~5,396年前(250年間)に樹木の生命活動を終えた可能性が95.4%。加えて、沼沢火山の噴火に伴う爆風で倒されたケヤキの可能性が極めて高いという分析結果を得た。
同法人がさらに川底を調査、ケヤキがあった場所の上下でほかの埋もれ木を確認した。ブナやトチ、カツラも年代測定を進めるという。
『福島民友』2022.2.26日より